40代の頃、私はあることに気づいた。
それは、ゲームよりもハッピーメールを開く時間のほうが長くなっていたということだ。
学生時代からゲームは好きだった。
RPGを何時間も続けて遊んだこともあるし、休日を丸一日ゲームに使ったこともあった。
しかし40代になると、その楽しみ方が少しずつ変わっていった。
ゲームの世界でレベルを上げることよりも、実際の人との出会いに興味を持つようになったのである。
毎日のようにサイトを開いていた
当時は仕事が終わると、まずハッピーメールを確認するのが日課だった。
新しいメッセージは届いているだろうか。
プロフィールを見てくれた人はいるだろうか。
返信が来ているだろうか。
気になって、何度もサイトを開いていた。
ゲームなら、一度電源を切ればそこで終わる。
しかし、人とのやり取りは違う。
自分が寝ている間にも相手からメッセージが届くことがある。
翌朝確認する楽しみもあった。
この「現実で動いている」という感覚が、私にとっては大きな魅力だった。
ゲームとは違う緊張感
ゲームには攻略法がある。
経験値を積み、装備を整えれば少しずつ強くなれる。
しかし、人とのコミュニケーションには決まった正解がない。
どんなメッセージを送ればいいのか。
どのタイミングで誘えばいいのか。
返信が遅いのは忙しいだけなのか、それとも興味がないのか。
毎回違う答えが返ってくる。
だから難しい。
しかし、その難しさこそが面白さでもあった。
実際に会うまでの時間
メッセージだけで終わることもあれば、実際に会う約束につながることもあった。
約束の日が近づくと、ゲームの発売日を待つような感覚とは違う緊張があった。
「どんな人だろう。」
「話は合うだろうか。」
「写真と同じ雰囲気だろうか。」
実際に会うまでは分からない。
その予測できない部分が、ゲームにはない魅力だった。
会えない日もたくさんあった
もちろん、うまくいくことばかりではない。
返信が来なくなることもあった。
約束まで進まないこともあった。
期待していた相手と会えなかったこともある。
そういう日は少し落ち込んだ。
しかし、不思議と「もうやめよう」とは思わなかった。
ゲームで負けても、もう一度挑戦したくなることがある。
それと少し似ているのかもしれない。
ただし、相手は人である。
自分の思い通りにはならない。
だからこそ、一人ひとりとの出会いを大切にしようと考えるようになった。
現実だからこその面白さ
ゲームでは、決められたシナリオがある。
どれだけ自由度が高くても、基本的にはプログラムの中で進んでいく。
一方、現実の出会いには決まったシナリオがない。
何気ない一通のメッセージから会うこともある。
長くやり取りしても、結局会わないこともある。
すべてが予想どおりには進まない。
その不確実さが、私を惹きつけていたのだと思う。
40代の私は、ゲームのレベルアップよりも、人との出会いを通して自分自身が少しずつ成長していくことに楽しさを感じていた。
夢中になったからこそ気づいたこと
ハッピーメールを利用していた頃は、本当によくサイトを開いていた。
朝起きたとき。
仕事の休憩時間。
仕事が終わったあと。
寝る前。
「新しいメッセージは来ているかな。」
そんな気持ちで何度も確認していた。
今思えば、かなり夢中になっていたのだと思う。
しかし、それだけ期待する気持ちがあったからこそ、出会いの喜びも大きかった。
会うまでが一番楽しかった日もある
実際に会うことはもちろん大切だった。
それでも振り返ってみると、メッセージを重ねながら少しずつ距離が縮まっていく時間も、とても印象に残っている。
相手の趣味を知る。
休日の過ごし方を聞く。
好きな食べ物の話をする。
そんな何気ないやり取りが続くと、「この人と会ってみたい」という気持ちが自然と大きくなっていった。
結果がどうなるか分からないからこそ、一通一通のメッセージが楽しみだった。
現実には思い通りにならないことも多い
もちろん、すべてが順調だったわけではない。
やり取りが途中で終わることもあった。
返信が来なくなることもあった。
実際に会ってみると、お互いに相性が合わないと感じることもあった。
ゲームならリセットボタンがある。
しかし、現実の人間関係にはリセットボタンはない。
だからこそ、相手への思いやりや礼儀が大切だということも学んだ。
40代だからこそ得られた経験
もし20代の頃だったら、もっと焦っていたかもしれない。
返信が遅いだけで不安になっていたかもしれない。
しかし40代になると、少しずつ考え方も変わってきた。
人にはそれぞれ生活がある。
仕事もある。
家庭の事情がある人もいる。
だから、自分のペースだけを相手に求めても仕方がない。
そう考えられるようになったことは、自分にとって大きな成長だった。
出会いはゲームではない
ゲームには攻略本がある。
強い装備もある。
経験値を積めば、少しずつクリアへ近づいていく。
しかし、人との出会いはそうはいかない。
相手によって価値観も違う。
好きな話題も違う。
大切にしていることも違う。
だから、「これをすれば必ず成功する」という方法は存在しない。
一人ひとりと向き合いながら、自分自身も少しずつ成長していく。
そこに、ゲームとは違う面白さがあった。
振り返ると大切だったのは経験
今になって思うのは、結果だけではなく経験そのものに価値があったということだ。
うまくいった出会い。
うまくいかなかった出会い。
短いメッセージのやり取り。
長く続いた連絡。
そのすべてが、自分の人生経験になっている。
もし何も行動していなければ、知ることのできなかった景色がたくさんあった。
今だから思うこと
今でも、あの頃を思い出すことがある。
ゲームよりも夢中になっていた時間。
新しいメッセージを待っていた時間。
初対面の待ち合わせ場所へ向かう緊張感。
どれも、40代の私にとって忘れられない思い出だ。
もちろん、夢中になり過ぎることは生活とのバランスも大切になる。
仕事や健康、日常生活を優先しながら楽しむことが何より重要だと、今は感じている。
まとめ
40代の頃、私はゲームよりもハッピーメールに夢中になっていた。
それはゲームが嫌いになったからではない。
現実の出会いには、ゲームでは味わえない緊張や期待、そして人とのつながりがあったからだ。
うまくいくこともあれば、思いどおりにならないこともある。
しかし、その一つひとつが経験となり、自分自身を成長させてくれた。
振り返ると、一番印象に残っているのは「何人と会ったか」ではない。
一人ひとりとの会話や、そのとき感じた期待、不安、喜びといった感情だった。
40代のあの時間は、ゲームでは得られない現実ならではの体験だった。
そして今でも、その経験は私の「ハッピーメール記録帖」の大切な1ページになっている。


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