ハッピーメールで女性と知り合っていると、最初は軽い雑談だったのに、少しずつ深い話をされることがある。
仕事のこと。
家族のこと。
夫婦関係のこと。
そして、ときには簡単には返事ができないほど重い話を聞くこともある。
以前知り合った女性もそうだった。
彼女は既婚者だった。
やり取りを続けて距離が縮まってくると、夫に対する愚痴をかなり話すようになった。
単なる、
「夫と性格が合わない」
「最近会話が少ない」
という程度ではなかった。
彼女の口から出てきたのは、
「夫から殴られることがある」
という話だった。
ほかにも家庭内で暴力を受けているという話を何度も聞いた。
最初に聞いたときは、正直かなり驚いた。
最初は普通の愚痴だと思っていた
知り合った当初から、彼女は夫婦関係がうまくいっていないような話をしていた。
既婚女性から夫の愚痴を聞くこと自体は、それほど珍しいことではないのかもしれない。
「話を聞いてほしい」
という気持ちもあったのだと思う。
最初のうちは自分も、
「大変なんだな」
くらいに聞いていた。
ところが話を聞いているうちに、内容がだんだん重くなっていった。
夫が怒る。
怖い思いをする。
暴力を受けることがある。
そんな話が出てくる。
ここまで来ると、単なる夫婦喧嘩の愚痴として聞くことはできなかった。
「殴られる」と聞くと返事に困った
彼女から、
「殴られることがある」
という趣旨の話をされたとき、どう返事をすればいいのか分からなかった。
自分はその家庭を直接見ているわけではない。
夫のことも知らない。
実際に家庭の中で何が起きているのかを確認することもできない。
だから簡単に、
「こうしたほうがいい」
と断定することもできなかった。
ただ、もし彼女の話していることが事実なら、かなり深刻な状況だと思った。
暴力については、
「夫婦だから仕方ない」
で済ませられる話ではない。
一方で、出会い系で知り合ったばかりの自分が、家庭の問題へどこまで入っていいのか。
そこにも迷いがあった。
彼女はとにかく話したかったのかもしれない
印象に残っているのは、彼女が一度だけ話したのではなかったことだ。
夫についての不満が次々に出てきた。
一つ話す。
また別の話をする。
そして、さらに別の不満が出てくる。
長い間ため込んでいたものを一気に吐き出しているようにも見えた。
自分に解決してほしいというより、
「とにかく誰かに聞いてほしい」
という気持ちだったのかもしれない。
人は身近な人ほど話せないことがある。
友人には言いにくい。
家族にも言えない。
職場の人には当然話せない。
そんなとき、普段の生活とは関係のない相手だからこそ話せることもあるのだと思う。
ハッピーメールで知り合った自分は、彼女の日常生活から離れた存在だった。
それが逆に話しやすかったのかもしれない。
聞いている側も気持ちが重くなる
最初は彼女の話を聞くだけだった。
しかし何度も深刻な話を聞いていると、自分の気持ちまで重くなってくる。
「本当に大丈夫なのだろうか」
と思う。
次に連絡したときには、
「今日は何か起きていないだろうか」
とも考える。
楽しいやり取りをするつもりだったのに、気づけば家庭の問題について考えている。
これは実際に経験してみて分かったことだった。
誰かの愚痴を聞くことと、誰かの深刻な問題を背負うことは違う。
話を聞いているうちに、その境界が分からなくなることがある。
自分が「助ける人」になろうとする危険
こういう話を聞くと、
「自分が何とかしてあげたい」
と思う人もいると思う。
自分も少なからずそういう気持ちはあった。
しかし今振り返ると、ここは慎重になるべきところだったと思う。
出会い系で知り合った相手の家庭事情を、こちらがすべて理解することは難しい。
しかも家庭内暴力が実際に起きているなら、個人同士だけで簡単に解決できる問題でもない。
相手の夫に直接連絡する。
自分が夫婦の間に入る。
感情的になって相手の家庭へ行く。
そういった行動は、むしろ状況を悪化させる可能性がある。
話を聞くことはできる。
心配することもできる。
しかし、
「自分一人で救わなければならない」
と考えるのは違うと思った。
深刻な暴力なら専門機関につながることも必要
もし現在進行形で暴力を受けている人から相談されたら、まず安全を優先する必要がある。
危険が迫っているなら、警察などへ助けを求める選択肢がある。
継続的なDVについても、公的な相談窓口や専門機関がある。
自分のような知人ができることと、専門家ができることは違う。
だから、
「自分が全部解決する」
ではなく、
「専門的な助けにつながることも考えたほうがいい」
という距離感が大切なのだと思う。
出会い系では相手の話だけで判断しないことも大切
もう一つ感じたことがある。
それは、
相手の話を真剣に聞くことと、すべてを確認済みの事実として判断することは別
ということだ。
これは相手を疑えという意味ではない。
自分はその家庭にいない。
何が起きているのかを直接見ていない。
だから、
「そんな夫は絶対に○○だ」
などと、知らない相手についてこちらが断定するのも避けたほうがいい。
彼女が怖い思いをしているという訴えは軽視しない。
しかし、自分が知らない部分についてまで勝手に物語を作らない。
この二つを両立する必要があると思った。
楽しい出会いだけではない
出会い系というと、
誰かと知り合う。
メッセージをする。
会う。
デートする。
そんなイメージが強い。
実際、自分もそういう経験をたくさんしてきた。
しかし人と知り合うということは、その人が抱えている事情にも触れるということだ。
仕事で悩んでいる人もいる。
家族関係で悩んでいる人もいる。
離婚を考えている人もいる。
そして今回の彼女のように、家庭内のかなり深刻な話をする人もいる。
プロフィールだけを見ていたときには、そんな事情は分からない。
普通にメッセージをしていた女性から、突然重い話を聞くこともある。
これも出会い系を長く使っている中で経験した一面だった。
「聞く」だけでも難しい
彼女とのやり取りを振り返って思う。
人の話を聞くというのは意外に難しい。
アドバイスをすればいいわけでもない。
否定すればいいわけでもない。
何でも信じればいいわけでもない。
そして自分が問題の中心人物になってしまうのも違う。
特に暴力のような深刻な話なら、
「それは大変だったね」
だけで終わらせるのが適切なのか迷う。
だからこそ、必要な場合には専門的な相談先があることを伝える。
そのうえで、自分は自分のできる範囲で話を聞く。
今なら、そのくらいの距離感が大事だったのではないかと思う。
まとめ|彼女の愚痴から考えた距離感
彼女は夫について、かなり多くの愚痴を話していた。
その中には、
「殴られる」
「暴力を受ける」
という深刻な内容もあった。
自分としては驚いたし、心配にもなった。
ただ、そこで自分が家庭の問題をすべて解決しようとするのは違う。
相手の話を軽視しない。
危険な状況なら安全を優先する。
必要なら専門的な相談先につながることを勧める。
そして、自分が確認できないことまで断定しない。
この距離感は大切だと思う。
ハッピーメールで知り合った女性とのやり取りというと、楽しかったことや恋愛的な出来事に目が向きやすい。
でも実際には、こういう重い話を聞くこともあった。
彼女がなぜ自分にそこまで話したのか、本当のところは分からない。
ただ、あのとき彼女には、
誰かに話したいことがたくさんあった。
それだけは強く感じた。
出会い系で人と知り合うということは、その人の楽しい部分だけでなく、ときには人生の重い部分にも触れることなのだと思う。


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