年始になると、群馬県の冬を思い出す。
冷たい空気。
澄んだ青空。
遠くまで見える山並み。
そして、ハッピーメールで知り合った女性と榛名山へ行った日のことを思い出す。
当時の私は出会いを探していた。
仕事と家の往復だけでは新しい出会いは生まれない。
そんな時に利用していたのがハッピーメールだった。
何人かとメッセージ交換をしたが、その女性とは不思議と会話が続いた。
毎日のように連絡していたわけではない。
しかし返信のテンポが心地よかった。
無理をしなくても会話が続く相手だった。
そんな流れで年始に会うことになった。
年始のドライブ
待ち合わせ場所に着くと、女性はすでに来ていた。
冬らしい服装だった。
「おはようございます」
そんな挨拶から一日が始まった。
最初は少し緊張した。
メッセージでは話していても、実際に会うのは違う。
車に乗っても最初の数分はぎこちなかった。
しかし不思議なもので、しばらくすると自然に会話が始まる。
仕事の話。
休日の話。
好きな食べ物の話。
他愛もない会話だった。
しかし、その何気ない会話が心地よかった。
榛名山へ向かう道
榛名山へ向かう道は冬らしい景色だった。
山が近づくにつれて空気が変わる。
街の空気とは違う。
静かで澄んでいる。
車内では音楽を流していた。
会話が続く時もあれば、景色を眺めているだけの時間もあった。
だが不思議と気まずさはなかった。
無理に話さなくても成立する関係は貴重だと思う。
山頂で感じたこと
榛名湖周辺を歩いた。
観光客もいたが、都会ほどの混雑ではない。
湖を眺める。
写真を撮る。
売店をのぞく。
そんなことをして過ごした。
特別なイベントがあったわけではない。
しかし楽しかった。
一緒にいる相手によって景色の見え方は変わる。
ひとりで見る景色と、誰かと見る景色は違う。
そのことを改めて感じた。
少しずつ変わる空気
昼食を食べた頃には、朝の緊張はほとんど消えていた。
会話も自然になっていた。
冗談も言えるようになっていた。
笑う回数も増えた。
こういう変化は数字では表せない。
しかし確実に存在する。
人との距離は少しずつ縮まる。
いきなり親しくなることは少ない。
同じ時間を過ごし、同じ景色を見て、同じ空気を感じる。
その積み重ねが距離を縮める。
帰り道
帰り道になると、朝とは雰囲気が違っていた。
お互いに慣れていた。
会話も途切れない。
時々笑い合う。
そんな時間が続いた。
信号待ちの時に目が合う。
何気ない話で盛り上がる。
肩の力が抜けている。
そんな空気だった。
恋愛にはいろいろな形がある。
派手な出来事だけが恋愛ではない。
こういう穏やかな時間もまた恋愛の一部だと思う。
イチャイチャというより安心感
帰り道は少し距離感が近くなっていた。
会話のテンポ。
笑顔。
自然なボディランゲージ。
そういう部分に変化があった。
いわゆるイチャイチャという言葉で表現できるのかもしれない。
しかし実際には、それ以上に安心感だった。
一緒にいて疲れない。
無理をしない。
沈黙も気にならない。
その感覚が心地よかった。
人は会わないと分からない
プロフィールだけでは分からない。
写真だけでも分からない。
実際に会うことで見える部分がある。
声の大きさ。
笑い方。
考え方。
食事の仕方。
人柄。
そういうものは会わなければ分からない。
だから私は出会い系サービスでも、ある程度やり取りしたら会うことを大切にしていた。
今振り返ると
東京へ引っ越した今でも、群馬時代を思い出すことがある。
榛名山へ向かう道。
冬の空気。
車内の会話。
そして帰り道の穏やかな時間。
大恋愛ではなかったかもしれない。
人生を変える出来事でもなかったかもしれない。
しかし記憶には残っている。
それは楽しかったからだと思う。
ハッピーメールを通じて出会った女性と過ごした年始の一日。
榛名山の景色とともに、今でも心のどこかに残っている思い出である。


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