正直に言うと、初デートにはあまり期待していなかった。
ハッピーメールでやり取りを始めて数日、メッセージの雰囲気は悪くないが、実際に会ってみないと分からないのが現実だ。写真も盛れている可能性があるし、「会ってみたら全然違った」という話はよく聞く。
待ち合わせ場所に少し早めに着き、相手を探していると、すぐに分かった。
背筋が伸びていて、落ち着いた雰囲気。近づくにつれ、「あ、真矢みき系だ」と思った。派手さはないが、凛としていて大人っぽい。年齢相応の魅力がしっかりあるタイプだった。
第一印象で感じたのは、安心感だった。
変に緊張させる感じがなく、自然に会話が始まる。仕事の話、普段の過ごし方、最近ハマっていること。特別盛り上げようとしなくても、会話が続くのは久しぶりだった。
カフェで1時間ほど話した頃、こちらから「そろそろ」と切り出そうか迷っていたタイミングで、彼女のほうから意外な言葉が出た。
「次は、カラオケとかどうですか?」
正直、少し驚いた。
初回は顔合わせ程度で終わると思っていたし、こちらから誘う展開を想定していたからだ。さらに続けて、
「あと、焼肉も好きなんですよね」
と笑いながら言われた瞬間、「あ、これは脈ありかもしれない」と思った。
ハッピーメールでは、初回で終わるケースも多い。
連絡が途切れたり、「今日はありがとうございました」で終わることも珍しくない。そんな中で、相手から具体的な次回案が出るのは、かなり前向きなサインだと感じた。
もちろん、舞い上がりすぎないように気をつけた。
その場で日程を詰めすぎず、「いいですね、また相談しましょう」と軽く返す。相手もそれで納得した様子だった。
別れた後、帰り道でメッセージが届いた。
「今日は楽しかったです。また行きましょう」
この一言で、今日のデートが成功だったことを確信した。
今回改めて感じたのは、ハッピーメールでも「落ち着いた大人同士の出会い」は十分にあるということだ。
無理に若作りをしない、話を盛らない、相手のペースを尊重する。その基本を守るだけで、次につながる確率は確実に上がる。
初デートは、結果を急がないほうがいい。
今回のように、相手から自然に次の話が出る関係のほうが、後々もうまくいく気がしている。次のカラオケと焼肉が、どうなるかはまだ分からない。だが少なくとも、「また会いたい」と思える相手に出会えたことは確かだ。


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