38歳の頃、ハッピーメールに新規登録する直前の俺の気持ちは、期待よりも「半信半疑」に近かった。
ワクワクしていたわけでもなければ、強い希望を持っていたわけでもない。
むしろ、「本当にこれで何か変わるのか?」という疑いのほうが大きかったと思う。
当時のハッピーメールの印象は、どこか曖昧だった。
怪しいとまでは言わないが、全面的に信用できるとも言い切れない。
広告や体験談はそれなりに目に入ってくるものの、それが自分の現実と結びつくイメージは、正直なところ湧かなかった。
年齢も影響していたと思う。
38歳というのは、若者向けの出会いサービスからは少し外れ始める年齢だ。
かといって、完全に「大人向け」の婚活に振り切る覚悟もまだない。
その中途半端さが、ハッピーメールを見る目をさらに曇らせていた。
「若い人向けなんじゃないか」
「結局、遊び目的ばかりなんじゃないか」
「登録しても、時間とお金を無駄にするだけじゃないか」
そんな考えが、登録ボタンを押す直前まで頭の中をぐるぐる回っていた。
それでも最終的に登録したのは、強い確信があったからではない。
むしろ逆で、「何もしないまま時間が過ぎていくほうが嫌だった」という理由のほうが近い。
半信半疑でもいいから、一度自分の目で確かめてみよう。
その程度の温度感だった。
当時の俺は、出会い系に夢を見ていなかった。
劇的な恋愛や、人生を変える出会いを期待していたわけではない。
ただ、「可能性がゼロではない場所」を覗いてみたかっただけだ。
登録前に感じていた違和感や不安は、今振り返ってみると、決して的外れではなかったと思う。
ハッピーメールには、良い面もあれば、合わない面もある。
万能なサービスではないし、使う人やタイミングによって、感じ方は大きく変わる。
だからこそ、あの時の「半信半疑」という感覚は、ある意味で健全だった。
最初から過度な期待をしていなかったから、冷静に状況を見ることができた。
相手の反応や、自分の立ち位置を客観的に受け止める余裕もあった。
38歳でハッピーメールに登録する前の俺は、
信じてもいないし、完全に否定していたわけでもない。
その中間に立って、静かに様子をうかがっていた。
今思えば、その距離感こそが、最初に持つべき正しいスタンスだったのかもしれない。
期待しすぎず、否定もしすぎない。
半信半疑のまま、一歩だけ踏み出す。
少なくとも、何もせずに時間をやり過ごすよりは、ずっと現実的な選択だった。


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