出会いは突然だった
高崎の夜は、思っていたより静かだった。駅前のネオンを抜けて、少し歩いた先にある 快活CLUB 高崎店 は、明るい看板とは裏腹に、どこか落ち着いた空気が流れている。
ハッピーメールでやり取りを始めてから、まだ数日。画面越しでは軽やかに感じた彼女の言葉も、実際に会うと少し違っていた。少しだけ緊張しているようで、それでも笑うと柔らかくて、距離がすっと縮まる。
初対面の空気感
「こういうところ、来たことあります?」
「いや、初めてかも」
そんな他愛ない会話をしながら、個室に入る。ドアを閉めると、外の音が一気に遠ざかり、ふたりだけの空間になる。照明はやや暗く、ソファは思ったより広い。近くに座ると、自然と肩が触れた。
距離が近づく瞬間
最初はぎこちなかった距離も、時間とともに少しずつ変わっていく。スマホを見せ合って笑ったり、仕事の話をしたり、過去の恋愛の話を少しだけしたり。
ふとした瞬間、会話が途切れる。
その沈黙が、不思議と心地よい。
彼女が少しだけこちらを見る。何かを言おうとして、やめて、また笑う。その仕草に、言葉以上のものが含まれている気がした。
言葉よりも伝わるもの
「なんか、落ち着きますね」
「うん…わかる」
その一言で、空気が変わる。
距離は、もう意識しなくても近い。
特別なことをしなくても、ただ同じ空間にいるだけで、互いの存在を感じる時間。外の世界とは切り離された、短いけれど濃い時間だった。
別れ際のひと言
時計を見ると、思ったより時間が経っている。
「そろそろ出ますか」
「ですね」
部屋を出ると、さっきまでの空気が少し名残として残る。駅に向かう途中、また普通の会話に戻るけれど、どこか違う。
別れ際、彼女が言った。
「また、会えます?」
高崎の夜に残ったもの
「うん、また会いましょう」
高崎の夜は変わらず静かだった。でも、さっきまでの時間が、確かに現実だったことだけは、はっきりと感じていた。


コメント