出会いはアプリから始まる
スマホの通知が鳴った。
使っているのは出会い系アプリの ハッピーメール。
何日かメッセージをやり取りしていた女性から返信が来ていた。
「もしよかったら、今度会いませんか?」
出会い系では珍しくない言葉だが、実際に会うとなると少しだけ緊張する。
メッセージでは普通でも、会った瞬間の空気はまた別だからだ。
待ち合わせは「いっちょう」
待ち合わせ場所は、和風の居酒屋チェーンの
いっちょう。
群馬ではよく見かける店で、個室が多く落ち着いて話せる。
初対面の待ち合わせには、こういう店がちょうどいい。
約束の時間より少し早く店に着いた。
入口の近くでスマホを見ながら待つ。
夜の店内は落ち着いていて、
家族連れや仕事帰りの人たちが静かに食事をしていた。
初対面の空気
「野村さんですか?」
声をかけられて振り向くと、
メッセージをやり取りしていた女性が立っていた。
派手ではないが、落ち着いた雰囲気の人だった。
「はい、よろしくお願いします」
軽く挨拶をして、一緒に店に入る。
店員に案内されて半個室の席へ。
この店は和風の作りで、静かに話すにはちょうどいい。
少しずつほぐれる会話
最初は少しぎこちない。
「こういうアプリで会うの初めてですか?」
「何回かありますけど、やっぱり緊張しますね」
そんな会話から、ゆっくり時間が流れ始めた。
飲み物を頼み、
焼き鳥やサラダなど軽くつまめる料理を注文する。
仕事の話、住んでいる場所の話、
休日は何をしているか。
普通の会話だが、直接話してみると
メッセージとは違う空気がある。
人はやはり
会ってみないと分からない。
個室で過ごす落ち着いた時間
しばらく話していると、
お互いの緊張も少しずつほどけてきた。
「こういう店、落ち着きますね」
「個室だからゆっくり話せますよね」
いっちょうの個室は、
周りを気にせず話せるのがいい。
お酒を飲みながら、
ゆっくり会話を続ける。
派手な出来事があるわけではない。
でも、
静かな大人の時間という感じだった。
約1時間のちょうどいい距離
時計を見ると、
だいたい1時間くらい経っていた。
初対面の待ち合わせとしては
ちょうどいい時間だと思う。
長すぎると疲れるし、
短すぎると何も分からない。
出会い系の最初の待ち合わせは
このくらいが一番自然かもしれない。
店を出たあと
会計を済ませて店を出た。
夜の空気が少し冷たい。
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとうございます」
そんな短い会話をして別れる。
特別なことが起きたわけではない。
でも、
こういう1時間の出会いも
人生の中では意外と印象に残るものだ。
アプリの出会いというもの
昔なら、知らない人と会う機会は少なかった。
でも今は、
アプリをきっかけに
まったく知らなかった人と出会うこともある。
それが長く続く縁になることもあれば、
その日の1時間で終わることもある。
どちらが良い悪いではない。
ただ、
こうして誰かと向き合って話す時間は、
日常の中では意外と貴重なのかもしれない。


コメント